それから私達は、同じ悪戯をくりかへして
無我夢中の有頂天の中を歩いてゐたのだつた。
お別れしてから、あの煙草屋の角のポストの処まで、
無我夢中で私が走つたのを御存じですか。
二人がどっちも若い同士であったら、すぐに
無我夢中にのぼり詰めて我れから破滅を急ぐのであろうが、幸いに女は男よりも年上であった。
焼け残つた東京郊外の、空ツ風の吹きまくる道を、鈴村博志は、
無我夢中で、電車の停留所目がけて、呼吸をきらしながら、前のめりに歩いてゐる。
無我夢中で、二三丁ばかり、走るように歩いて、彼女はやっと電柱の蔭に足を停めた。
事の仔細をよくも知らないで、相手が異人だから遣っ付けてしまえと、
無我夢中で加勢に出て来る者もある。
私の謡い方が、まるで
無我夢中で、少々節回しなどはどうあろうと、一向構わず、堂々とやっているには呆れる、と松篁なども言っているそうです。
と最早、
無我夢中、いづみ熱に患されたポッポちゃんは手のつけようがない。
その間自分は、全く
無我夢中で、生死の間を彷徨していたのだと後になって聞かされた。