恐るれば福を致し、或は侮り、或は亢れば災を致すのは、何事に於ても必ず
然様有る可き道理である。
そんなら野菊や山路菊や竜脳菊で足りるだらうと云はれゝばそれも
然様である、富士菊や戸隠菊を賞してそれで足りる、それも
然様である。
然様判然とした区別は意識的には付かぬまでも、少くとも両時代の侠客には何分かの差違があつたのである。
然様かと思うと一方の軍が敵地へ行向う時に、敵地でも無く吾が地でも無い、吾が同盟者の土地を通過する。
君は
然様いふ訳で歩いてゐるなら、これ/\の処に斯様いふ寺がある、由緒は良くても今は貧乏寺だが、其寺の境内に小さな滝が有つて、其滝の水は無類の霊泉である。
なるほど韓駒の詩の、「言ふ莫かれ衲子の籃に底無しと、江南の骨董を盛り取つて帰る」などといふ句を引いて講釈されると、
然様かとも思はれる。