東海道通行軍旅候て、人数五万と
申事のよし、一件に付岩下左兄(方平)早々蒸気船を以て御国許ニ帰られ、今月十日頃ニハ西吉兄(西郷吉之助)及
幕ハ此頃英国のたすけを受候事ハ、毛頭出来不
申事相成候これハ小松帯刀が見ツモリよし。
一、私し留守ニて他所より尋来り候もの、或ハ信友と雖ども、一飯一宿其事一切存不
申事。
彼海軍士官被仰付候者も、大坂表ニて被仰付候時ハ拙者、急※下坂仕らねバ彼者とよる所を不知と
申事ニ相成
申候。
申の刻下りからふり出した雨は、いまだに上るけしきがない。
或は「ればのん」山の檜に、葡萄かづらが纏ひついて、花咲いたやうであつたとも
申さうず。
此段御承引無之に於ては、仮令、医は仁術なりと
申し候へども、神仏の冥罰も恐しく候へば、検脈の儀平に御断り
申候。