嘗てはわれわれに親しかつた古い歌ひ振りの詩を今日に於いて
省みるならば、われわれはそれがもう全く讀めないものになつてゐるのに驚く。
然し、それが、自ら
省みること不足のせゐであり、自ら知ること足らざるせゐであることを、さうではないと断言し得るや。
人間は常に神に近づこうとして、様々な修行の過程を踏んでいるのであって、其ためには其過程過程が、
省みる毎に、あやまちと見られるのである。
驚きを驚きとし、恐れを恐れとして正しく恥ぢ、正しく
省みる事に於て私たちは初めて救はれるであらう。
旅の恥はかき棄てと唱へて、些かも
省みる処なく、平気で不義、破廉恥を行ふ。