武士道と言えば、女は
眼中にないような風に言われながら、正妻となるとなかなか格式を与えて十分な権利を主張せしめている。
凡そ人間の性格を
眼中に入れなかつた作家といへば、スタンダアルほどその甚しいものはない。
彼の将棋は相手に一手勝てばよいという原則を信条として、旧来の定跡の如きを
眼中にしない。
小草が数本に、その一本を伝わって倒に這降りる蟻に、去年の枯草のこれが筐とも見える芥一摘みほど——これが其時の
眼中の小天地さ。
肩尖、膝頭、臀部、あたま——翁の
眼中、一々、その凸所の形に似通う山の姿が触覚より視覚へ通じ影像となって浮んで来た。
申※の如きは
眼中に日本軍なく、暴慢で到る処で徒らに人を斬って威を示す有様なので、地方官は大いに怖れてその待遇は大臣以上であったと云う。
所が、沼田の城代となった猪俣範直と云う武士が、我無しゃらで、条約も何にも
眼中になく、真田領の名胡桃まで、攻め取ってしまったのである。
しきりと慇懃に揉み手をしながら、天下の御直参もまるで
眼中にないもののような容子でした。
が、そんなことを
眼中に置かないでも、鳳凰や羅漢なんぞは、至極結構な出来だと思ふ。