J部落、T河、O山、B湾——必要上自分達だけで作っている地上標識が、三分乃至五分おき位に、
眼界に現れて
眼界から消え去る。
すると
眼界が急に開けて、バルキスの王宮の大理石の壁と紫の※幕と金の円天井とが一行の眼の前に現れた。
朝靄のなかに、見上げるような高橋が、女の胸のようなゆるやかな曲線を描いて、
眼界を区切っていた。
山に登るに従って
眼界がひろくなり、西北の方にも、東南の方にも湖が見える。
それも上からの「バーズ・アイ・ビュウ」で行けば、
眼界はそれらにも届くであらうが、横からの「パースペクチヴ」でのぞくためには、知らないところは見えない。
戸の走る度に山の上の星月夜が、私の
眼界から消えて行つた。
こうして高い堤防の上に立つと、広い
眼界がただもう一面に黄色なその窪地と空だけでいっぱいになっている。