その血は左の心臓部の傷口から流れだしたもので、傷口の模様から見て、鋭利な
短刀をもって刺されたらしかった。
一、御もたせの
短刀はさしあげんと申た私のよりは、よ程よろしく候。
見物が前を通ると仕掛けで首を上げる、怨めしそうな顔をして、片手には
短刀を以って咽喉を突いてる、血がポタポタ滴れそうな仕掛になっている。
これは貞宗のうつたものだが私の志を果させていたゞきたいと言つて返事もきかず
短刀を残して逃げて帰つた。
「やっとそれが済んだら、黒ん坊は妾の胸に又
短刀をつきつけて今度は、オレのお嫁になれって云うんですの」
(間)あいつに
短刀をつきつけるか、自分が腹をきるか……。
もし彼に怨恨のある前科者どもが、
短刀逆手に現われたとしたらどうするだろうと、私は気になって仕方がなかった。