しかりといえども、古来東洋の人、夢によりて禍福を知り、夢に
神託を受け、婦妻の遠征の良人を追慕し、夢の情感によりて妊孕せし等、おおむね架空の談柄たるに過ぎず。
キチョウメンな呉氏が、約束の時間に現れないから、さてこそ
神託によって禁足か。
きさらぎ、やよひ、ひうらうら」と訓み給ひけむ
神託もさることながら、大江朝綱が二條の家に物張の尼が「月によつて長安百尺の樓に上る」と詠じたる例に從ひたる所多し。
きさらぎ、やよひ、ひうらうら」と訓み給ひけむ
神託もさることながら、大江朝綱が二条の家に物張の尼が「月によつて長安百尺の楼に上る」と詠じたる例に従ひたる処多し。