小流れは谷窪から湧く自然の水で、復一のような金魚飼育商にとっては、第一に
稼業の拠りどころにもなるものだった。
「いや、わしもこれで、二十年も赤帽
稼業をしているから、お客様を待つ気持のつらさというものは、よく判るですよ。
わたくし共も川崎大師へは大抵一年に二、三度は参詣していましたが、どうも人間は現金なもので、明治になって
稼業をやめると、とかく御無沙汰勝ちになりまして……。
親孝行ばかりでなく、七之助は気のあらい
稼業に似合わない、おとなしい素直な質で、近所の人達にも可愛がられていた。
稼業が
稼業だけに、それをやかましく云うのも野暮だと半七は思った。
同じく江戸にひびいた口入れ
稼業の加賀芳一家で見まわらしているのが一艘と、特志の土左舟はつごうその三艘でした。
稼業のほうはたしかにげたの歯入れ屋でごぜえますが、あだ名のほうはあっしがつけたんじゃねえ、世間がかってにつけたんでごぜえますから、しかとのことは存じませぬ」
「しかしだね、——しかしこんな
稼業をしてゐたのでは、天国に行かれないと思やしないか。
交際のありがちな
稼業の事、途中で友だちに誘はれて、新宿あたりへぐれたのだ、と然う思へば濟むのであるから。