ある処は、広い河原に幾
筋となく水が分れて、名も知らぬ鳥が無数に飛んでゐたりした。
本
筋といいきってはいけないかも知れないが、その存在が別にフシギではないということだ。
その大網の尖端は、紐のように太く揺れて、アール・ヌーボー式の図案に見るような、印象の強い輪廓を作って、幾
筋となく繋がっては、環を作る。
私は、戯曲に於ても、構成は甚だでたらめで、行きあたりばつたりを得意としてゐるから、
筋といふものがまるで立たない。
秋の山女魚釣りは、親を狙うよりも、子を狙うのを本
筋としてきた。
この戯曲が、初めて制作劇場の舞台にかかつた時(一九二〇年)その奇怪な
筋と、大胆な表現とに、先づ巴里の観衆は驚いた。
文学と、話の
筋とを混合してゐる批評の多いことなど、やはり、そんなところから来てはゐないか。
筋としてはキインの方が小説らしくもあり、面白いとも思ふ。