これ、郡内におこりし妖怪事件の大略なるが、これを約言せば、この怪事は
形体なき無形の怪物が、空中に口笛のごとき怪声を発し、かつ種々の怪事を営むものにほかならず。
つまり和装本の形式は、丁度和服が殆ど手のつける余地のない程、完成し切った
形体であると同じである。
夏の匂ひのする、夏の光りのある、夏の
形体をもつてゐる魚——といつたら、すぐ鮎だ、鱚だ、鯛と鱸だ。
先づ、
形体として都市の要素をなすものは、道路と建築である。
されど、実体の両面たる物質と勢力とが構成し、仮現する千差万別・無量無限の
形体にいたっては、常住なものはけっしてない。
此れに反し、縦令
形体はなくとも作者の主観なり神経なりが通って居ればそれは現実である。