花壇などには及ばない、垣根の隅でも裏手の空地でも
簇々として発生する。
野原一面に叢生する刈萱は雑草の中に一頭地を抜いて蟠
簇してゐる。
古典な能の狂言も、社会に、尖端の
簇を飛ばすらしい。
とはいえ、季節は折柄養蚕上
簇に際し、百姓は働けども働けども忙しい。
わたしぁ桑摘む主ぁ※まんせ、春蚕上
簇れば二人着る。
何本かの紫苑はいつの間にか細かい花を
簇らせたまま、そよりともせずに日を受けてゐた。
その日も、校長が缺席兒童の督促に出掛けると言ひ出すと、此木田は春蠶が今朝から上
簇しかけてゐると言つて、さつさと歸り支度をした。
——孤影雪に碎けて濛々たる中に、唯見れば一
簇の雲の霏々として薄く紅なるあり。
あすこの三つ二つ、三つ二つは今しも大きな塊りとなって潮のように前に押寄せ、丁字街の口もとまで行くと、突然立ち停まって半円状に
簇った。
二抱へもある青桐、人を容るべき空洞を有し、一丈位より上は切られて、小枝四方に
簇出す。