こんな事を書くこともすでに不作法であり、荒い時代が私にも荒い教育をしてくれて、この国にみなぎる
粗野の気分に年とつたものまでも捲かれてしまつたのである。
此時代は実は、我々の国の内外の生活が、
粗野から優雅に踏み込みかけ、さうして略、其輪廓だけは完成した時代であつた。
粗野な村々の祖先の心は、はじめて、芸術の齎す効果に近いものを受けた。
一方公卿の方にも、此等の
粗野ではあるが単純な武家に対して、寛容さを欠いて居たし、之をうまく操縦する方略にも欠けていた。
ここの一団が実際的の必要を認めないことに興味を有していないのは、たった一つの暗い蝋燭に照らされている、かれらの
粗野なる顔つきをみても明らかであった。
しかし、所謂男性美といふものは、どうも少し
粗野で簡単で、概念的になりやすい。
何処となく荒涼とした
粗野な自由な感じ、それは生面の人を威脅するものではあるかも知れないけれども、住み慣れたものには捨て難い蠱惑だ。
小杉さんは
粗野とは正反対の Education Sentimentale「訓練」を身につけてゐる人である。