こんな事を書くこともすでに
不作法であり、荒い時代が私にも荒い教育をしてくれて、この国にみなぎる粗野の気分に年とつたものまでも捲かれてしまつたのである。
褶くちやになツた大島染の袷を着た、モ一人の男は、両手を枕に、足は海の方へ投げ出して、
不作法にも二人の中央に仰向になツて臥て居る。
揉くちやになつた大島染の袷を着た、モ一人の男は、兩手を枕に、足は海の方へ投げ出して、
不作法にも二人の中央に仰向になつて臥て居る。
しかも自分とはあまりにかけ離れたことばかり考えているらしい息子の、軽率な
不作法が癪にさわったのだ。