——店の跡を譲った人も
素性はよし(もちろん売り渡したのだが)安心して引込めますよ。
こう云っちゃ、なんですけど、この節は氏も
素性もありゃしませんわよ。
僕のような
素性の悪い負けきらいは、勝負そのものでなしに、相手の人柄に闘志をもやすので、つまり僕と尾崎が、好敵手なのもそのせいだ。
むかしは碁の
素性もいくらか良かったけれども、腕ッ節もたしかにもっと強かった筈で、ちかごろの弱腕、まことに残念千万である。
石、殆ど石から出来上つて居るこの島、大変
素性のよい石に富んで居るこの島、……こんな事が私には妙に、たまらなく嬉しいのであります。
栗栖按吉という場違い者を除いてみると、あとはみんな
素性の正しい坊主であった。
紺の飛白に書生下駄をつっかけた青年に対して、
素性が知れぬほど顔にも姿にも複雑な表情をたたえたこの女性の対照は、幼い少女の注意をすらひかずにはおかなかった。
そう応えながら女中は、昨晩おそく着いて来た、ちょっと得体の知れないこの美しい婦人の
素性を探ろうとするように注意深い目をやった。