奴は臨
終の瞬間においてすら「幽霊になってでてやる」と云ってボクをおどかしたのである。
然るに御身は殊の外彼の人を忌嫌い候様子、拙者の眼に相見え候えば、女ながらも其由のいい聞け難くて、臨
終の際まで黙し候
『死に度く無い/\』といつて死んで行く臨
終の仕方である。
日記の日付は、一八八七年六月、彼が二十三歳の時から始まり、一九一〇年四月、臨
終の一と月前に
終つてゐる。
第四幕から第五幕目にはいると、これは、日本人に最も受けさうな——フランスでも見物のすゝり泣きが聞えるところだが——修道院における『シラノ』臨
終の場である。
この進化、漸化の或段階では、この所作は人間に不幸を持ち来すこともあるけれども、それは最
終のものではないということに気注くならば、悲観する必要はない。
その
終の『まゐるかも知れん』のところが急に大ごゑになつて、健康な時の朗々たるこゑを思はせたので、胸がぎくりとしたと古実君が語つた。
万人の免れない臨
終の苦悶をさえ、彼女は十分味わずに済んだ。
この現実の世ではそうした人倫の「有
終の美」は稀なだけにどんなに尊いかしれない。