あるひは、女帝時代、家をまもる虫の如き女主人の執拗な意志、その最後の
結実としての女帝、さういふものを意味した題名でなければならなかつた。
死生の覚悟などといふものは常に白刃の下にある武芸者だの軍人などには却つて縁の遠いもので、文化的教養の高いところに自ら
結実する。
聖武天皇はかゝる女帝の経営の
結実であり精霊であり、そして更にその
結実は孝謙天皇の血液へ流れる。
主題は平明で厳粛で、祈りの歌に似た昂揚性をもち、しかも、読者の頭次第では、真実の適度の深さにおいて、力強い思想の
結実を看ることができるのである。
その結果として起こってきた文化なるものは、あるべき季節に咲き出ない花のようなものであるから、まことの美しさを持たず、
結実ののぞみのないものになってしまった。