この話は、実に面白いではないか、右筆といえば、今の秘書官だが、宰相の片
腕ともなるべきこの右筆が、孔子の名さえ知らないといえば、その人の学問も大抵は知れる。
それを、折竹がパラパラっとめくり、太い
腕とともにぐいと突きだしたページには、
もちろん、ある意味でいくらかの手
腕と抱負とを示した岡本綺堂のやうな人はゐるけれども、現代の演劇にその足跡を残すまでの業績を示したとは言ひ難い。
辣
腕と剽悍との点においては近代これに比肩する者無しと嘆ぜられているひと。
それを折竹がパラパラとめくって、太い
腕とともにグイと突きだしたページには、なんと、“Incola palustris”沼底棲息人と明白にあるのだ。
あるいは右
腕、あるいは左
腕と前にのばしながら、群集のあいだに自分の道を切り開いていった。
いつも變らぬ景色ながら、
腕と島田におびえし擧句の、心細さいはむ方なし。
この作が凡百の軽文学を遥かに抜いているのは、全篇の構成から措辞の末に至るまでに滲透している作者の芸術的感覚と手
腕とによってであろう。