この話は最近読んだばかりだから、まだ記
臆には新しい方だ。
一人は土方晋、一人は万理小路某と
臆するところもなく役者に名を告げた。
二三度試みて、たうとう指さきを
臆させてしまつた女中は
その理由はあとでつける場合もあるが、第一に、出掛けるといふことが実に
臆劫である。
かの女は「まあ!」といって、身体は
臆してうしろへ退いたが、眼は鋭く見詰め寄った。
それはもう長い間の病氣に疲れて、起つて障子を開ける事さへ
臆劫にしてゐる私にとつては、絶えて久しく忘れてゐた感じであつた。
ああ、左様々々、まだ其頃のことで能く記
臆して居ることがあります。