ことに各自
自国の慣例によって、ジャパン・ヤポンなどと呼ぶ場合においては、一層物が面倒になる。
いやしくもこの気慨あるものは、
自国を遊園とし、海外を工場とし、よろしく遠く天涯万里に向かって雄飛活躍せざるべからず。
其の会員は会報で知った外国の未知の会員同志交渉をつけて、夏期など一緒に落ち合ってお互いに
自国の案内やら
自国語を教え合い意見を交換すると言うのである。
この方法こそ、
自国劇を豊富にする唯一の道であり、殊に、日本の新劇は、この方法によらなかつたために、俳優の演技を訓練し得なかつたのである。
然れども形勢俄かに一変し、
自国の胸底より文学の新気運湧き出でゝ、今や其勢力充実して殆ど全欧を凌駕せんとするに至れり。
異邦の詩文の美を移植せむとする者は、既に成語に富みたる
自国詩文の技巧の為め、清新の趣味を犠牲にする事あるべからず。
戦争をしている国民が、より多く
自国の国力に適合する平和の為という目的を没却して、戦争その物に熱中する態度も、その一つである。