が多くは、細かい
花びらが頬を掠めて胸に入っても、一向無関心でありました。
花びらがぽそぽそ散るように魂が散っていのちがだんだん衰えて行くように思われます。
勿論落すともとの通り花は織り出した模様になって、つまみ上げること所か、
花びら一つ自由には動かせなくなってしまうのです。
察する所この百合は、
花びらさえまだ無事でいたら、今でもあのカッフェの卓子に飾られていたのに相違あるまい。
先には土いきれに凋んだ莟が、
花びらを暑熱に※られながら、かすかに甘い※を放っていた。
精靈船にはその家の定紋をつけた帆を揚げてゐるのもあるし、又蓮の
花びらが、舟一ぱいに撒き散らされてゐるのもあつた。
菊は一番奥のがうす紅、中程のが濃い黄色、一番前のがまつ白な
花びらを流蘇の如く乱してゐるのであつた。
はるか、沖合へでてみますと、海の水は、およそうつくしいやぐるまぎくの
花びらのように青くて、あくまですきとおったガラスのように澄みきっています。