震災の実情がだんだんに詳しく判れば判るほど、神経が
苛立ってくる。
私の
苛立ちは、私の疲れは、時々詩人菱山に悲しい皮肉を言はせてしまふ。
青年は平気な顔をして笑つてゐたのですが、翌朝老人の宿酔の頭には恰も子供を赦すがやうな青年の笑ひ顔が世にも最も
苛立たしいものに絡みついてくるのでした。
お医者さん、看護婦、附添い、すべて患者の神経を
苛立たせないように、これつとめ、これを専一に注意を払ってくれる。
尉官は太く
苛立つ胸を、強いて落着けたらんごとき、沈める、力ある音調もて、
三という数字に関したものを、思っても見ても考えても、ヘンに気持が
苛立って来て、そろそろ一人でこのことを包み隠している負担に堪えられなくなって来た。
保吉はこの物売りの態度に、今日も——と言うよりもむしろ今日はじっとしてはいられぬ
苛立たしさを感じた。
僕はだんだん
苛立たしさを感じ、もう一度欄干によりかかりながら、やはり人波の去来する埠頭の前後を眺めまわした。
同時にまたこう云うことにも神経を使わずにはいられないわたし自身に対する
苛立たしさだった。
我々は、ヨハネのクリストの伝記に或
苛立たしさを感じるであらう。