珍らしいものでは、飛騨に
莨の葉を凧にしたものがある。
火のない巻
莨を手にしたまま、同じ処に彳んで、じっと其方を。
小さい毛糸の靴下が、伸した手にひっかかった——白梅の入った
莨入の代りに。
第一、
莨盆の蒔絵などが、黒地に金の唐草を這わせていると、その細い蔓や葉がどうも気になって仕方がない。
巻
莨の手を控へ掌に葉を撫して、何ぞ主人のむくつけき、何ぞ此の花のしをらしきと。
おや、あの菖蒲革の
莨入は、どこへ忘れて御出でなすつた?
蟇の如く胡坐をかいた男は、紙
莨の煙をゆるやかに吹いて、靜かに海を眺めて居る。
蝋燭の焔と炭火の熱と多人数の熱蒸と混じたる一種の温気は殆ど凝りて動かざる一間の内を、
莨の煙と燈火の油煙とは更に縺れて渦巻きつつ立迷へり。
起き直って、巻
莨を一本すって、その喫殻を水に投げ込むと、恰もそれを追うように一つの白い花がゆらゆらと流れ下って来ました。
O君があわてて喫いかけた巻
莨の火を消そうとすると、紳士は笑いながら徐かに云った。