自分達は自分達の生活中からあらゆる
虚偽を追ひ出し、自由にして自然な生き/\した生活を営まふと努めてゐる。
而してこの理論を明かにする為めに挙げらるゝ証拠も亦等しく
虚偽である。
いづれも
虚偽でありながら、真実でもありうることが分るので、私はひどく馬鹿々々しい。
虚偽と、我慾と、暴虐に対する人間本性の声に絶えずつゝましく耳を傾けてゐる。
殊更に作る心算で個性を無視した
虚偽なものは歌いたくないのだ。
それが明白なる誤謬、むしろ明白なる
虚偽であることは、ここに詳しく述べるまでもない。
従って、おかんが死際に、耳にした一家の人々の愁嘆の声に、微塵
虚偽や作為の分子は、交って居ない訳だった。
法利賽の徒と共に
虚偽の生を営みて、醜辱汚穢の沼に網うつ、名や財や、はた楽欲を漁らむとすなり。