二人は門を出て竹越氏の行った
表通りとは反対の裏通りの方へ足を向けた。
S君の郷里は村といっても、諸国の人のあつまってくる繁華の町につづいていて、
表通りはほとんど町のような形をなしている。
処が二三年前市区改正になって、
表通りを三間半削られたので往来が近くなった。
鈴子は、ひとり、帳場に坐って、ぼんやり
表通りを眺めていた。
つまり
表通りや新道路の繁華な刺戟に疲れた人々が、時々、刺戟を外ずして気分を転換する為めに紛れ込むようなちょっとした街筋——
私は東北のSという城下町の
表通りから二側目の町並を歩いていた。
そうして、ただ遊んでいては困るであろうというので、彼が百円あまりの金を出してくれて、
表通りの店をゆずり受けることになった。
試みに横山町の
表通りを北から南へその裏が板じん道になる間だけを軒別にあげて見れば——先づ角の足袋や植村に始つて、葉茶屋の大木上条。