すすきは夏も好し、秋もよいが、冬の霜を帯びた枯すすきも十分の画趣と
詩趣をそなえている。
日本の講談の中で異彩を放っているばかりでなく、牧歌的な
詩趣あふれ、殺伐な豪傑の中でユーモラスな存在ですらある。
松夫と綾子との出会いは甚だしく俗悪で
詩趣に欠けているのである。
北の農家は暗さがあるばかりで、旅行者を慰めるに足る
詩趣の方は数へるほどもありはしない。
が、四五年前に北京に遊び、のべつに槐ばかり見ることになつたら、いつか
詩趣とも云ふべきものを感じないやうになつてしまつた。
木彫の仮面にて、年を経たるまま面目分明ならねど、いわゆる古色蒼然たるもの、観来たって一種の
詩趣をおぼゆ。
情熱を欠きたる深幽は自からアンニヒレーチーブにして、物に触れて響なく、深淵の泓澄たる妙趣はあれども、巨瀑空に懸つて岩石震動するの
詩趣あらず。
木彫の假面にて、年を經たるまゝ面目分明ならねど、所謂古色蒼然たるもの、觀來つて一種の
詩趣をおぼゆ。
自分は武蔵野の美といった、美といわんよりむしろ
詩趣といいたい、そのほうが適切と思われる。
店頭の辨慶の木像古りて、これも一種の
詩趣を帶びたり。