之は古の
談話製造家が面白く書き出したもので、尤も多少の事実はあつたにした処が正確なことは解つて居らぬ。
夏目さんは大抵一時間の
談話中には二回か三回、実に好い上品なユーモアを混える人で、それも全く無意識に迸り出るといったような所があった。
そこで今の人が好んで微物凡物、云うに足らぬようなもの、下らぬものの上無しというものを
談話の材料にしたり、研究の対象にするのも、まことにおもしろい。
二人は、最初紹介された時、何かきびきびした挨拶を交わすと、もうお互いに相手の
談話ぶりや、ウィットを心の内で賞賛し合った。
内供は日常の
談話の中に、鼻と云う語が出て来るのを何よりも惧れていた。
圭一郎は世の人々の同情にすがつて手を差伸べて日々の糧を求める乞丐のやうに、毎日々々、あちこちの知名の文士を訪ねて膝を地に折つて
談話を哀願した。
さんざ油を取られたが、そんなことが縁になつてか、それからは毎日々々
談話をしてくれた。
旅行に就いて何か経験上の
談話をしろと仰ゃるのですか。
何処ぞの学校の寄宿舎にでも居ったとか何とかいう経歴がありましたら、下らない
談話でも何でも、何か御話し致しましょうけれども。
談話の聽人は皆婦人で、綺麗な人が大分見えた、と云ふ質のであるから、羊羹、苺、念入に紫袱紗で薄茶の饗應まであつたが——辛抱をなさい——酒と云ふものは全然ない。