「夫羅山の口号に曰、萬葉集は古詩に似たり、古今集は唐詩に似たり、伊勢物語は変風の情を発するに
贋たり、源氏物語は荘子と天台の書に似たりとあり。
笑はれる織田は一向に軽薄ではなく、笑ふ人の方が軽薄なので、深刻ヅラをしなければ、自分を支へる自信のもてない
贋芸術の重みによた/\してゐるだけだ。
贋物
贋筆を買うのは月謝を出すのだから、少しも不当の事ではない。
因に言ふ、夏目先生の書にも近年はめつきり
贋せものが殖えたらしい。
よし又それ程巧妙をを極めた
贋物でないにしても鑑定家に良心のある限り、真とも
贋とも決定出来ない中間色の書画が出て来るのは自然である。
贋物
贋筆を買ふのは月謝を出すのだから、少しも不当の事では無い。