だがたいへん話に熱中していると見え、
路傍に紳士が立っているのにも気づかぬらしく、通りすぎようとした。
路傍に藪はあっても、竹を挫き、枝を折るほどの勢もないから、玉江の蘆は名のみ聞く、……湯のような浅沼の蘆を折取って、くるくるとまわしても、何、秋風が吹くものか。
うす暗がりでよくは判らないが、
路傍の店の灯でちらりと見たところは、色の蒼白い、瘠せ形の娘で、髪は島田に結って、白地に撫子を染め出した中形の浴衣を着ていた。
路傍の堤草に腰をおろして、新平と平吾とは、斯んな話をしていた。
この設計技師の苦心も、商いや仕事を抛り出してベンチの上に眠むりこけている不潔な苦力や
路傍商人の不遠慮な侵入に他愛もなく踏みにじられていた。
路傍のとある駄菓子屋の奧より、中形の浴衣に繻子の帶だらしなく、島田、襟白粉、襷がけなるが、緋褌を蹴返し、ばた/\と駈けて出で、一寸、煮豆屋さん/\。
されど
路傍なる梅の老木のみはますます栄えて年々、花咲き、うまき実を結べば、道ゆく旅客らはちぎりて食い、その渇きし喉をうるおしけり。