川蒸汽の、ばらばらと川浪を
蹴るのなんぞは、高櫓の瓦一枚浮かしたほどにも思われず、……船に掛けた白帆くらいは、城の壁の映るのから見れば、些細な塵です。
ぴんと張り拡げられた薄墨いろの肉翅のまん中で、毛の胴は異様に蠢き、小鳥のやうな足は宙を
蹴る。
走り込んで行った炭車を飛び退くようにして、立ちはだかった男の腕の中へ、お品は炭車の尻を
蹴るようにして水々しいからだを投げかけて行った。
撲つな、
蹴るな、貴下酷いことをするぢやあありませんか。
昔の角力は、打つ
蹴る投げるといったように、ほとんど格闘に近い乱暴なものであった。