かうした不時の急場には、その荒れ果てた魂と正しい
躾と妙な調和をかもしだして、五十がらみの老成した男のやうなたのもしさすら感じさせるのであつた。
よく
躾けられたシェパードは決して猛犬ではないし、また本来、日本犬ほどケンカしたがる犬でもない。
兄が東京へ伴って教育したのであるから、学問のことは勿論、行儀作法から女の芸事にかけては、何一つ欠くるところがないまでに育て、そして
躾けたのである。
雪子の父はなまじなよその夫人よりY家の主人を非常に厳格な
躾け正しい人と信じてゐたから……
ちと
躾めるように言うと、一層頬辺の色を濃くして、ますます気勢込んで、
例へばわれわれの家庭の実状から云つて、若し仮りに貴族階級のやうな
躾けをしたとすれば、子供はどうなるでせうか。
以上のことは、家庭だけの
躾けで十分の効果をあげることはできません。
……時に、無
躾なことをお聞きするが、あんたのお客さんは、どうもまことに、不思議なお客さんばかりですね」
我々の理性も感情も
躾けもみんな失われ一変して、戦争という大きさのケタの違うデカダンが心や習性の全部にとって代っていたのだ。
義姉は母の
躾がよかったのか、村の小学校で、文吉や順平の成績が芳しくないのは可哀相だと面と向って云うのだ。