魚類はそろそろ渓川の※洒な細鱗が嗜味の夢に入る、夕顔の苗に支柱を添へ、
金魚の鉢に藻を沈めてやる、いづれも、季節よりの親しみである。
その途端に、
金魚のように紅と白との尾鰭を動かした幻影が鼻の先を通りすぎるのが感ぜられた。
金魚の手がえしは梅雨のうちが一番むずかしいなどという話が出た。
それが、
金魚を見ることは、彼の小さな世界へ焼鏝をさし入れるものであらねばならない。
堯は
金魚の仔でもつまむようにしてそれを土管の口へ持って行くのである。
(僕はそこへ
金魚にやる孑孑を掬ひに行つたことをきのふのやうに覚えてゐる。
私たちは鳥類や、
金魚や、一匹の立派な犬や、兎や、一匹の小猿や、一匹の猫などを飼った。
一方は明窓の障子がはまつて、其外は疊二疊ばかりの、しツくひ叩の池で、
金魚も緋鯉も居るのではない。