かつ
鉛筆の色はどんなに巧みに書いても到底チョークの色には及ばない。
その日も青二は、べんとうを放送局の裏口の受付にとどけ、守衛の父親から
鉛筆を一本おだちんにもらい、それをポケットにいれて、崖下の道を引っかえしていったのである。
おさらいと明日の下読が済むと、筆入やカバンを奇麗に掃除して、
鉛筆を上手に削って、時間表に合せた書物や雑記帳と一所に入れて机の上に正しく置きました。
あの
鉛筆の芯ほどの太さで僅か一センチほどの長さなのが、時価五六万円もするですって。
女はこう云う間にも、依然として
鉛筆を動かしている。
彼等は縁日で買つて来た粗末な胡弓をひいたり、
鉛筆で絵を描いたり、鬼ごつこなぞして遊んだ。
そして結局一等いい
鉛筆を一本買うくらいの贅沢をするのだった。
銀行から歳暮によこす皮表紙の懐中手帳に、細手の
鉛筆に舌の先の湿りをくれては、丹念に何か書きこんでいた。
そこには僕が考えていたとおり雑記帳や
鉛筆箱とまじって見覚えのある絵具箱がしまってありました。