松崎は工科出の健康な青年で秋口から東北の
鉱山へ勤める就職口も定まつてゐた。
T大学で鉱物学をやり、
鉱山勤めの口はあつたのだけれども、月給取りは性に合はぬと思ひ、夢のやうな計画を抱いて、朝鮮から満洲、それからシベリヤを歩きまはつた。
だが、この前のF
鉱山事件といい、この間の松洞事件といい、某大国や警視庁は、あの兇行を君がやったことはよく知っているのだぜ。
やれ県会議員の長男だとか、やれ
鉱山持ちの甥だとか、写真ばかりももう十枚ばかり見たわ。
というのは、二川重明は鉄道とか温泉とか
鉱山とかいう企業などには、少しも興味を持たない人間なのだ。
しかし、いくらやかましく云っても、
鉱山だけの生活に満足出来ない者が当然出て来る。
国に一
鉱山あるでなく、大港湾の万国の船舶を惹くものがあるのではありません。