殊に、昨日、町の時計屋が来た
際にも、銀側の懐中時計が二個、紛失したと云ふ事であるから、今日はこれから、総員の身体検査を行ひ、同時に所持品の検査も行ふ事にする。
嘗乱心者を取り抑えた
際に、三右衛門ほか一人の侍は二人とも額に傷を受けた。
それが静かな潮風に、法衣の裾を吹かせながら、浪打
際を独り御出でになる、——見れば御手には何と云うのか、笹の枝に貫いた、小さい魚を下げていらっしゃいました。
ただ、咄嗟の
際にも私の神経を刺戟したのは、彼の左の手の指が一本欠けている事だった。
これは、こっちも退屈している
際だから、話しかけたいのは山々だが、相手の男の人相が、甚だ、無愛想に見えたので、暫く躊躇していたのである。
途方に暮れていた
際だから、李は、廟を見ると、慌てて、その軒下へかけこんだ。
所が、この逆上では、登城の
際、附合の諸大名、座席同列の旗本仲間へ、どんな無礼を働くか知れたものではない。
実
際此の失恋でもない、況んや得恋でもない、謂はゞ無恋の心もちが、一番悲惨な心持なんだ。
維新の
際南部藩が朝敵にまわったため、母は十二、三から流離の苦を嘗めて、結婚前には東京でお針の賃仕事をしていたということである。
梵鐘をもって大砲を鋳たのも、危急の
際にはやむをえないことかもしれない。