しかし、読みすすんで行くうちは、この悠々と
露出しているトリックに、どうしても気附くことができないのである。
更に又、屍体の所々——両方の掌、肩、下顎部、肘等の
露出個所には、無数の軽い擦過傷が痛々しく残り、タオル地の寝巻にも二、三の綻ろびが認められた。
そして帆村を離すと、ベリベリと音をさせて、われとわがワイシャツを裂きその間から屍のように青白い胸部を
露出させた。
英国気質の通則以上に表現を
露出することは更にそれに打ち勝つ力を弱めることなのだ。
また径の縁には赤土の
露出が雨滴にたたかれて、ちょうど風化作用に骨立った岩石そっくりの恰好になっているところがあった。
その岩が雨に洗い出されて山のいただきには奇巌がいたるところに
露出している。
程よい衝動は彼の苦痛に響いていくらかの慰撫となった彼は落葉の層をなるだけ除けて、堅い舗道面の
露出して居る部分を殆ど、無意識に拾って歩いて居た。
野梅と桑の実の豊かにみのった二つの生垣に挟まれて、すべすべした砂利が骨のように
露出し、破れた血管のように轍の跡がついている。