殊に近頃は見越しの松に雪よけの縄がかかったり、玄関の前に敷いた枯れ松葉に藪柑子の実が赤らんだり、一層
風流に見えるのだった。
詩酒の
風流を恣にするには、こんな都合の好い身分はない。
母は不器用なかたちで、
風流と言ったような、気のきいた点は少しもなかったが、それでいて自然の美に対する素朴なアコガレを持っていた。
時も時なら、おりもおりでしたから、思わぬ珍事出来に
風流優雅の絵模様を浮かべたたえていた水上は、たちまち混乱騒擾の阿修羅地獄にさまを変えたのは当然——
おまえが敷島の道に心得があるたア、見かけによらず
風流人だよ。
経には江戸三百年の
風流を呑却して、万変自ら寸心に溢れ、緯には海東六十州の人情を曲尽して、一息忽ち千載に通ず。
僕 僕は生憎
風流人よりもずつと多慾に生まれついてゐる。
その額の下や軸の前に、或は銅瓶に梅もどきが、或は青磁に菊の花がその時々で投げこんであるのは、無論奥さんの
風流に相違あるまい。
家康公の血を引いた直政という方が参られまして、その何代か後に不昧公と申す殿様がありましたが、そのために家中の好みが辺鄙に似合わず、
風流になったと申します。