こんな男を相手にするのはまるで雲を掴むやうなもので、あいつは
馬鹿だと決めなければ、こつちが馬鹿を見るばかりだと人々は考へた。
信長は白坊主の表裏ない言葉を諒としたが、彼らは
馬鹿だと判断した。
けれども
馬鹿だから字を書く事も本を読む事も出来ません。
「それは和尚様、なんぼ
馬鹿だつて、打てば泣きますさ。
『それぢやあこれは無効ですか? まあ何て私は
馬鹿だらう、田舍者みたいに電車賃を二度取りされてさ!』
『吉さんだって少しは案じ事もあろうよ、案じ事のないものは馬鹿と
馬鹿だというから。