倶利伽羅を仰ぐと早や、名だたる古戦場の面影が眉に迫って、
驚破、松風も鯨波の声、山の緑も草摺を揺り揃えたる数万の軍兵。
且つその狂か、痴か、いずれ常識無き阿房なるを聞きたれば、
驚ける気色も無くて、行水に乱鬢の毛を鏡に対して撫附けいたりけり。
せめて、心の世界だけでなりと、知らぬ間のとてつもない出世に、苔の下の長夜の熟睡を
驚したくないものである。
暁天の座禅に、とろとろと眠って、巡香の
驚策を受くることも数少なくなった。
さてはいかなる医学士も、
驚破という場合に望みては、さすがに懸念のなからんやと、予は同情を表したりき。
この短い逗留の中に、謁見した一山の房主と言ふ房主は、皆この美しい詞で、大臣を
驚した。
驚破「應」來れりと叫ぶ時は、幼童婦女子は遁隱れ、孩兒も怖れて夜泣を止む。