ことほど左様に自己に憑かれ彼は「芝居ができなかつた」ことほど左様に純粋にして
高潔な心の持主だつたとスタンダールは批評を加へてゐるのである。
しかも学識深く、オランダの医学に通じて仁術をほどこし、人格は神の如くに
高潔であった。
高給比類なし、と並んで
高潔なる人格を要す、とあるところに目をつけたのは、やっぱり、それだけの能しかない証拠であった。
恋愛といふものはそんなに
高潔であり恒久永続するものではなくて、互に『変るまいぞや』『変るまい』と契つた仲でも、常に幾多の紆余曲折があり幻滅が伴ふものである。
阿諛佞弁をもて長上に拝服するは小人の極めて為し易きところにして、
高潔なる性格ある者に取りて極めて難しとするところなり。
思想と恋愛とは仇讐なるか、安んぞ知らむ、恋愛は思想を
高潔ならしむる※母なるを。
悪魔の魅力を仮用して
高潔なる舞台を濁穢する泰西作家の妙腕は、即ち馬琴が八房の中にあり。
我輩不敏といへども奴等よりはまだ
高潔な心をもつとる。
高潔崇高なる詩人哲学者は悉く、戦争の邪念を悪む、而して英雄中の英雄なる基督に至りては堅く万民の相戦ふを禁じたり。
愛情を
高潔なる自然の意義より解釈せず、遊廓内の腐敗せる血涙中より之を面白気に画き出でたる者にて、遊廓内の理想を世に紹介し、世に教導したる者、実に彼等の罪なり。