都会が有する
魔睡剤は煤烟である、コルタアである、石油である、瓦斯である、生々しいペンキの臭気と濃厚なる脂肪の蒸しっぐるしい溜息とである。
だから濃霧の夜などはことに事故が多く、船員仲間からは
魔の岬と呼ばれてひどく恐れられていた。
そんな競走が続くと、もう誰もかれも得体の知れぬ
魔に憑かれたように馬券の買い方が乱れて来る。
下りては来ましたが、つい先刻まで一緒にいた人※がもう訳も分らぬ山の
魔の手にさらわれて終ったと思うと、不思議な心理状態になっていたに相違ありません。
しかしそれからというものは松木家には不思議な
魔の手が伸びたらしく、母が死ぬ、父が続いて亡くなる、妹が死ぬといった風でした。
前にもいう通り、元来が一種の
魔所のように恐れられている場所だけに、それが容易に諸人にも信じられて、近所の湯屋や髪結床では毎日その噂がくり返された。
Esteros de Patino——すなわち「パチニョの荒湿地」といわれる
魔所。
人の住む島か
魔の棲む島か——あら、あの音は——奇麗な泉——ゴリラの襲來——水兵ヒラリと身を躱はした——海軍士官の顏
カタ/\カタ、白い
魔が忍んで來る、雪入道が透見する。