もっとも山の高低や、緯度の如何に随って雪の多少はあるが、高山の
麓になると、一年中絶えず雪を仰ぎ視る事が出来る。
私が今話の序開をしたその飛騨の山越をやった時の、
麓の茶屋で一緒になった富山の売薬という奴あ、けたいの悪い、ねじねじした厭な壮佼で。
第×師団第×聯隊の白襷隊は、松樹山の補備砲台を奪取するために、九十三高地の北
麓を出発した。
昔、大和の国葛城山の
麓に、髪長彦という若い木樵が住んでいました。
それが、二子山
麓の、万場を発している十石街道であって、その道は、しばの間をくねりくねり蜿々と高原を這いのぼっていく。
その
麓に水車が光っているばかりで、眼に見えて動くものはなく、うらうらと晩春の日が照り渡っている野山には静かな懶さばかりが感じられた。
浅間の
麓に添うた傾斜の地勢は、あだかも人工で掘割られたように、小諸城址の附近で幾つかの深い谷を成している。
叔父の家は丘の
麓に在り、近郊には樹林多く、川あり泉あり池あり、そして程遠からぬ處に瀬戸内々海の入江がある。
蝦夷富士といわれるマッカリヌプリの
麓に続く胆振の大草原を、日本海から内浦湾に吹きぬける西風が、打ち寄せる紆濤のように跡から跡から吹き払っていった。