わたしは急に眼がさめたような心持になって、自分の庭のうちを散歩するばかりでなく、暇さえあれば近所を
うろついて、そこらの家々の垣根のあいだを覗きあるいた。
失踪から四日目の夜、長野市の警察から知らせがきて、自殺の目的で長野市中を
うろついてゐた魚則を保護してあるから引取りに来るやうにと言つてきた。
それを手にして堤下を少し
うろついていたが、何か掘っていると思うと、たちまちにして春の日に光る白い小さい球根を五つ六つ懐から出した半紙の上に載せて戻って来た。
おまけに窓の外を見ると、始終ごみごみした横町に、麦藁帽をかぶった支那の車夫が、所在なさそうに
うろついている。
わたしは何もこの家を目当に、
うろついていたのではないのですが、ちょうどそこへ来合わせたのを幸い、一稼ぎする気を起しました。
同時にそれが彼の後ろに
うろついていそうな無気味さを感じた。
さすれば内裡の内外ばかり
うろついて居る予などには、思いもよらぬ逸事奇聞が、舟にも載せ車にも積むほど、四方から集って参るに相違あるまい。
今頃こんな処に
うろついている女——さては例の狐かと、彼は更に進み寄って正体を見届けようとする途端に、女はするすると寄って来た。
しかし、月にしろ、暗夜にしろ、唯、おも入れで、立つて聽くと成ると、三めぐり田圃を
うろついて、狐に魅まれたと思はれるやうな時代な事では濟まぬ。
三つ二つ、三つ二つと鬼のような者がそこらじゅうに
うろついていた。