般若の面の男 見よう見真似の、から猿踊りで、はい、一向にこれ、馴れませぬものだでな、
ちょっくらばかり面をつけて見ます了見の処。
じゃ、辰の野郎をすぐひっぱってめえりますから、
ちょっくらここでお待ちくだせえましよ」
「さ! 遠慮はいらねえから、早いところおめえの隠し芸をお目にかけて、
ちょっくらだんなの肝を冷やしてやんねえよ」
さっきこちらを引き揚げてから、ふたりして
ちょっくら神明前の吹き矢へ出かけていったんですよ。
持つべきものは兄貴なり、あした来がけに地獄のそばも通ることだろうから、おえんま様に
ちょっくらことづてしてきなよ。