旅館でも病院でも学校でも、鎧戸の入った窓がバタンバタンと外へ開かれ、遠くの方からバスの
エンジンの音が地響をうって聞えてくる。
兎に角、見たところ飛行機の型をして居り、申訳でいいから、
エンジンもついて居り、プロペラの恰好をしたものがついて居ればいいのだ」
機はぐんぐん垂直に上昇していって、その頂上で、
エンジンははたと停り、そして失速する。
そのとき珍らしく、そのあたりに
エンジンの音が聞えだしたと思ったら、それがだんだん近づいてこの交番の焼跡の前に停った。
エンジン床の低いオープン自動車を操縦するのは、耳目の整ったわりに若く見える三十前の女だった。
何しろ
エンジンと
エンジンの間をぬけ、防水扉のところで頭を打ちつけそうになるのをヒョイとかがんで走りぬけるのですから大変です。