ことほど左様に自己に憑かれ彼は「芝居ができなかつた」ことほど左様に純粋にして高潔な心の持主だつたと
スタンダールは批評を加へてゐるのである。
生活する人間にとっては、
スタンダールの文章など、読めないのが当然だと私は思う。
スタンダールなどを読むたびに、私だったら、戦争をこんな風に書きはしないだろうと考え、なんとかして存命中に戦争にお目にかかりたいと思ったのだ。
スタンダールやメリメエや日本物で西鶴などの小説はこの点で今の僕には面白くもあり、又ためにもなる本である。
誇張ぎらいの
スタンダールの「赤と黒」も
スタンダールの自己主張と思えば、やはり一つの誇張だ。