昼夜の分ちなく、私は、宿の二階にウトウトと、又、グッ
スリと、寝倒れてゐるのだ。
つまり、実際に犯罪がすでに行われ、そこにヌキサシならぬ犯人がなければならぬタテマエなものを、執筆の途中から、犯人が
スリ代っては、話にならない。
父は『政治家というものは財産を
スリ減らして家をつぶすのがオチだ、実業家か、慶応の医科に入って医者になれ』という。
正面やゝ高きところに鉄格子をはめた
スリ硝子の小窓。
ところが、二日目かに、モサ(
スリのこと)で入っていた目付のこわい男が、ニヤ/\してながら自分の坐っている側へ寄って来てみれと云った。