されば DS が大慈大悲の泉源たるとうらうえにて、「じゃぼ」は
一切諸悪の根本なれば、いやしくも天主の御教を奉ずるものは、かりそめにもその爪牙に近づくべからず。
一切の塵労を脱して、その「死」の中に眠る事が出来たならば——無心の子供のやうに夢もなく眠る事が出来たならば、どんなに悦ばしい事であらう。
彼は、
一切の不正を、不正として感じない程、意気地のない、臆病な人間だつたのである。
彼はこの時、偶然な契機によつて、醜き
一切に対する反感を師匠の病躯の上に洩らしたのであらうか。
しかし薄眼になつた猫はやはり背中を円くした儘、
一切の秘密を知つてゐるやうに、冷然と坐つてゐるばかりだつた。
雲飛といふ人は盆石を非常に愛翫した奇人で、人々から石狂者と言はれて居たが、人が何と言はうと
一切頓着せず、珍しい石の搜索にのみ日を送つて居た。
一切の塵労を脱して、その「死」の中に眠ることが出来たならば——無心の子供のように夢もなく眠ることが出来たならば、どんなに悦ばしいことであろう。
良人の顔付きには気も着かないほど眼を落した妻は口をだらりと開けたまま
一切無頓着でただ馬の跡について歩いた。