毎朝この水で顔を洗う、
一杯頭から浴びようとしたけれども、あんな蟹は、夜中に何をするか分らぬと思ってやめた。
さっき八っちゃんがにこにこ笑いながら小さな手に碁石を
一杯握って、僕が入用ないといったのも僕は思い出した。
その癖保吉のテエブルへは紅茶を
一杯頼んでも容易に持って来てはくれなかった。
本間さんはそれから一番遠いテエブルへ行って、白葡萄酒を
一杯云いつけた。
「やあ、馬鹿に飲みっぷりがいいぜ、もう
一杯たのもう」と、ほかの一人が入れ代って猪口を突き出すと、かれは猶予なしにそれをも飲んでしまった。
相手にそれと分ったと思うと須山は急に調子を変えて、「キリンでゞも
一杯やるか」と後から云った。
梅「寒いから
一杯お飲べかえ、沢山飲むといけないよ、二合にしてお置よ、三合に成ると少し舌が廻らなくなる、身体に障るだろうと思って案じられるから」