老人は古びた青天鵞絨を、少年は青い帽子に粗羅紗の
上衣をきて、頸には青い珠の珠数をかけてゐる。
戯奴の紅き
上衣に埃の香かすかにしみて春はくれにけり
脱ぎ棄てた、浴衣、襯衣、
上衣など、ちらちらと渚に似て、黒く深く、背後の山まで凹になったのは本堂であろう。
その記事は社会面に三段抜きで「河内園長の奇怪な失踪・動物園内に遺留された帽子と
上衣」といったような標題がついていたように思う。
いきなり
上衣とシャツとを脱ぎすてると、乾いたタオルでゴシゴシと背中や胸を拭いた。
私は今日初めて明るい紫紺に金釦の
上衣を引つかけてみた。
さうして
上衣の隠しを探ると、翡翠の耳環を一双出して、手づから彼女の耳へ下げてやつた。
タールまみれの弁髪がよごれた青い
上衣の肩に垂れていた(註四)。